『 日常的、、  』

18歳くらいのころ、当時の恋人との待ち合わせに早くついて
時間を持て余し、原宿の南国酒家の辺りのカフェの奥にあった
お花屋さんで花を数本選んで買った。
自分のお金で花束まがいのものを買ったのはそれが初めてだった。
彼は、家に着き次第に群青とグレーの綺麗な陶器にその花を
生けてくれた。”花を選んでいる私”って思わずに彼のことを
一直線に想って花を買ったのが伝わったらしく
その初心の様なものにあのひとは上機嫌だった。

アントワープにいる頃、毎週土曜日に、古着、野菜、
チーズ、花etc、、を売っているマーケットが
あって、そこで毎週、花束を買っていた。
あと二軒、一軒は、計算が全く出来ない神経質な顔の青年が
やっているお店、もう一軒はサンタマリアノヴェッラに
よく買い物に来るイタリア趣味っぽいご夫婦がやっているお店、を
気に入っていた。この2軒は「お店のシールを貼らないで
もらえますか?」と頼まなくて済む店だった。

チューリッヒにある有名なお花屋さんに出会ったときの衝撃は
忘れられない。今までで会った人の中で
一番に眼力の強い人だった。白薔薇とオリーブの葉で
花束をつくってくれた。
「貴女にとって花とは何ですか?」と、訊ねたら
「音楽と天国よ。」と、即答頂いた。
このお花屋さんをご紹介下さった、奥様のご自宅のお庭は
ロックガーデンで、将来、庭を持ったとしたら真似しよう
と、決めている。

(前置きが長くなりましたが、)
 DILIGENCEPARLOUR、越智君にお誘いを頂き、花フェスを
やる事になった。このお誘いはとても嬉しかった。
服を花と結びつけられるってかすかないい感じを
ちょっと実感する。
花は枯れるからそれを職として扱っている人がうらやましい。
「みんな服を捨てたがっているんだよ。」と知人から聞いた。
確かに私も色々捨てたい。服と関わっているとデカダン気取りで
デカダンにはなれない。私の中の小さなヴィスコンティはいつも
心のどこかに置いてきぼりになっている。

追記:
「美しい「花」がある。「花」の美しさという様なものはない。」
と云う一節があるが、越智君は“美しさ”とかを追わないから信頼している。

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